第4回:DXが変えるサロン予約の未来

 

 

電話予約が過去のものになった理由

今や美容室の予約といえば、スマートフォンから24時間いつでも取れるオンラインシステムが主流です。私がこの業界に携わり始めた20年ほど前は、土日のピークタイムは、鳴りやまない予約電話への対応で、スタッフが疲弊していました。

しかし、この数年で美容室のデジタルトランスフォーメーション(DX)は劇的に進展。2023年時点では、美容業界の9割近くが予約システムを導入しているというデータもあります。

これは単なる時代の流れではなく、「予約率の向上」や「キャンセル率の減少」といったサロン経営に具体的な成果をもたらしています。

 

予約システムが「神対応」を生む裏側

「予約率の向上」は、サロンの収益安定に直結します。そして、「キャンセル率減少」の背景には、システムに搭載された自動リマインダー機能があります。これにより、美容師は予約確認の電話対応に時間を奪われなくなり、その時間を技術の研鑽や休憩、そして何より、私たち顧客の施術に集中できるようになったのです。

これは、DXがもたらした最大のメリットと言えるかもしれません。効率化で創出された「時間的・金銭的余力」が、ひいては長時間労働の解消につながり、結果として私たちへのサービス向上に還元されていくのです。

 

データが実現する「究極のパーソナルサービス」

ところで、予約システムは単なるスケジュール帳ではありません。あなたの来店履歴、施術記録、好みの傾向などを一元管理する顧客管理の中核であり、これにより、美容師さんの役割は「感覚の職人」から、「データのプロデューサー」へと進化します。

前回あなたが何気なく話した会話をカルテに残し、次回には最適なケア方法を提案したり、あなたがリピート予約を忘れてしまう頃を見計らいリマインドの連絡が入るなど、美容師さんは勘や経験だけでなく、データを基にした科学的なリピート戦略を実行できるようになりました。

あなたが「自分のことをよくわかってくれている」と感じる神対応の裏側には、予約システムによるデータ駆動型の戦略があるのです。

 

コラム第5回:『あなたの担当者が「経営者」であることの意味』に続く。